夜を徹して祈る
弁護士 佐々木 満男
■本稿は恵みの雨"連載記事「あらゆる問題は解決できる」の2000年6月号の原稿です。
1.徹夜の祈り
私たちは大きな問題を抱えて悩み、一晩中眠れなかった、というようなことがあるのではないでしょうか。いろいろな難しい問題の解決を依頼される弁護士という職業柄、私は眠れない夜を過ごすことがよくあります。
「どうせ眠れないなら問題解決のために一晩中祈ろう」と決心して祈れる時はよいのですが、その切り換えができなかった翌朝は悲劇です。睡眠不足のために思考力が弱まり、問題を解決する自信がもっと失われてしまいます。結局そのような日はほとんど仕事にならず、事務所を早退して帰宅して寝込むことになります。
これに対して、一晩中祈れた時は、「神が必ず解決してくださる」という確信が得られるので、睡眠不足でも何とか一日の仕事を全うすることができます。
けれども、一人で夜を徹して祈ることはそう簡単にできることではありません。祈ろうと思っても途中で眠くなってうとうとしながら夜が明けてしまったということの方が多いのです。
2.徹夜祈祷会
そこで数年前に、東京の韓国系教会の毎週金曜日の徹夜祈祷会に出るようになりました。(韓国の多くの教会では金曜日に徹夜祈祷会が行われています。ある大きな教会では、数千人の信徒が参加しています)。
大勢のクリスチャンたちとともに夜通し祈ることによって、「どんな問題でも神には解決できる」という強い確信を持つことができます。こうして、大きな問題を抱えいても、「金曜日に徹夜で祈れば何とかなる」という安心感をもって一週間を過ごせるようになりました。
その後、事情によってこの徹夜祈祷会に参加できなくなったため、二年前に数人のビジネスマンの仲間とともに自分たちで月一回の徹夜祈祷会を行うことになりました。
今では、東京お茶の水のOCCビル(お茶の水クリスチャンセンター)で、毎月第二、第四金曜日に行っています。金曜の夜十時から土曜の朝七時過ぎまで、賛美とあかしと祈りを繰り返し行います。ビジネスマンだけではなく、OL、学生、教職、失業中の方やホームレスの方など、さまざまな方々が参加しています。
3.息子さんの救い
ある時、Aさんという女性が出席されました。Aさんは、会が始まってからずっと声を殺して泣いていました。 高校生の息子さんが悪いグループに入って、ギャンブル・シンナー遊び・盗み・暴行・傷害等を繰り返し、しょっちゅう警察に補導されているということです。それを注意するとAさんを殴る、ける、髪の毛をつかんでひきずり回すという家庭内暴力になってしまうのだそうです。何とか息子さんが救われて欲しいと家で祈ってきましたが、悪くなる一方だというのです。
涙ながらのあかしのあと、Aさんは号泣して祈りました。「イエスさま、どうして息子を救ってくださらないのですか。息子は本当は良い子なのに、悪魔にとらわれているのです。どうか息子を救ってください。どうか息子を救ってください。どうか息子を救ってください」と、涙とともに半狂乱で叫びながら祈りつづけます。
このようなすさまじい祈りは聞いたことがありません。こんな祈りをしていたら、いつかはご本人が体をこわしてしまうのではないかと心配したほどです。一緒に祈った方々は皆、「Aさんのこの激しい祈りが天に届かないはずがない、必ず息子さんは救われる」と確信しました。
Aさんは徹夜祈祷会に来るたびに身をよじるような号泣して祈っていましたが、事態は変わらず、しばらくして来なくなってしまいました。どうされているのかと案じつつ、私たちは祈りつづけました。ところが数ヶ月して、「Aさんが倒れて入院した。重体だそうだ」という知らせが入ったのです。驚いて、いやされるようにと皆で必死に祈りました。しかしその後一命をとりとめ、退院したと聞いてホッとしましたが、あれほど祈っても、Aさんの祈りは聞かれないのだろうか、本当にかわいそうだなあと思っていました。
ところがそれから間もなく、「Aさんの息子さんがキリストを信じて洗礼を受けた」といううれしいニュースが届いたのです。息子さんのために命をかけて祈りつづけたお母さんの切なる願いが、ついにかなえられたのです。
4.徹夜の祈りの恵み
これは徹夜祈祷会での祈りの実現のほんの一例です。私自身、この徹夜祈祷会での祈りを通して実に多くの問題が解決し、願いがかなえられてきました。
最もすばらしいことは、長時間集中して祈ることによって、神との生き生きとした生きた交わりが得られることです。そうすると、愛と喜びと平安と知恵と勇気と力とが、心の奥底から泉のように湧き起こってきて、やがて噴水のように吹き出してきます。「確かに神は生きておられ、私たちとともにおられる」というインマヌエルの神の実在を心と体の全体で感じとることができます。そして、「神は必ず私たちの祈りに答えてくださる」という揺るがない確信を持つことができるのです。
また事実、次々に祈りが答えられることによって、生ける愛の神との現実の交わりをますます豊かに体験することができるようになります。この徹夜の祈祷会での恵みがあまりにも大きいので、「月二回では足りない、毎週やろう」という声が上がっています。
私たちは今、日本中の教会や宣教グループで定期的な徹夜祈祷会が行われるようにと祈っています。Aさんのように本気で祈れば問題が解決されるのに、本気で祈らないために問題が解決されないでいるとしたら、それはまことに大きな損失ではないでしょうか。夜を徹して祈ることは、断食をして祈ることともに、私たちが本気で神に祈るための最も有効な手段の一つです。
ハンナは心に深く悲しみ、主に祈ってはげしく泣いた。…彼女が主の前で長く祈っていたので、エリは彼女の口に目をとめた(サムエル上一章十〜十二節)
このころ、イエスは祈るために山へ行き、夜を徹して神に祈られた(ルカ六章十二節)
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