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すでにかなえられたと信じる



■本稿は恵みの雨§A載記事「あらゆる問題は解決できる」の二千年十月号の原稿です。



1.確信をもって

「なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう」(マルコ十一章二十三節)。このみことばから、信仰は時間と空間を超越していることがわかります。信仰の原則は、「心で疑わないで信じたとおりになる」ということです(同十一章二十二節)。

問題の解決を祈り求めていく時、祈りが聞かれたという揺るがない平安が与えられることがあります。すると、神がすでに解決してくださったという確信を持つことができます。そのような平安と確信を得たなら、もはや問題の解決を祈り求める必要はありません。祈りが聞かれたこと、問題は神の御手の中ですでに解決されたことを喜んで、神に感謝していればよいのです。やがて問題の解決が、神の時に神の方法によって、現実のものとなります。

子どもが、親におもちゃをねだって、「わかった、そんなに欲しいなら買ってあげるよ」と言われたら、必ず買ってもらえると信じるはずです。後は親を信頼して、おもちゃが現実に手に入る時を楽しみにしていればよいのです。

「父よ、わたしの願いをお聞き下さったことを感謝します。あなたがいつでもわたしの願いを聞きいれて下さることを、よく知っています」(ヨハネ十一章四十一、四十二節)。死んだラザロをよみがえらせる直前、イエスさまは目を天に向けて言われました。そして、すでに聞かれたという確信をもって「ラザロよ、出てきなさい!」と命じられると、ラザロが墓から生きて出てきたのです。

このように、天地万物の創造主である父なる神が、私たちの願いを聞いてくださることほど確かなことはありません。ただひとつの問題は、「願いが聞き入れられた」という確信が持てるかどうかです。この確信を持つためには、疑わないで信仰をもって願い求めることです。すなわち、「かなえられた」と心から信じられるまで、神に祈りつづけることです。「ただ疑わないで、信仰をもって願い求めなさい。疑う人は、風の吹くままに揺れ動く海の波に似ている。そういう人は、主から何かをいただけるもののように思うべきでない」(ヤコブ一章六節)とあるとおりです。


2.団体交渉事件

ある時、経営難に陥っている会社から、バブル好景気中に社員を大量に採用しようとして作った特別優遇制度を変更するため、就業規則改正案を作成して欲しいと依頼されました。同業他社や業界全体と比較しても常識をはるかに越える優遇制度で、公認会計士から「早急に改正しなければ会社の倒産もありうる」と警告されていたのです。

作成した改正案を会社に送ったところ、それが最終決定としてそのまま社員に公表されてしまいました。すぐに一部の社員から、「とんでもない改悪だ!」と、猛反対が起こり、それが全社員に広がって、「説明会を開け!」となったのです。

私は担当部長とともに説明会に出席し、改正には社員の意見を聞く必要はあるが同意を得る必要はないこと、公認会計士の意見をもとに作成しており、改正しなければ会社倒産の危険もあることを説明しました。ところが、納得しない一部の社員が扇動し、「改正絶対反対! 撤回せよ!」という動きになってしまいました。

私は会社から社員との交渉を一任されましたが、交渉がこじれて労働争議に発展し、これまでの円満な労使関係が険悪になってしまったら大変だという心配がありました。

そこで、紛争が円満に解決するようにと何日も真剣に祈りました。けれども事態はどんどん悪化し、誹謗中傷の怪文書が出回ったり、私への個人攻撃も激しくなっていきました。

いよいよ団体交渉の前日になりました。大勢の社員の前で吊し上げられるのではないかという恐れが大きくなってきて、これではいけないと思い、夜遅くまで聖書を読みながら必死に祈りました。そのうちに、急に祈りが聞かれたという確信が与えられたのです。それは、「主は伏兵を設け、かのユダに攻めてきたアンモン、モアブ、セイル山の人々に向かわされたので、彼らは打ち破られた」(歴代志下二十章二十二節)のみことばを読んでいた時でした。

このみことばが、問題の解決に具体的にどのように結びつくのか、また、社員たちにどのように説明し、説得したらよいのかもわかりませんでした。しかし、「主がすでに解決してくださった」という確信が与えられたのです。

当日は、平安を持って団交に臨むことができました。厳しい表情で居並ぶ各部課の大勢の代表社員たちを前にして、一瞬気持ちがひるみましたが、その時ふと、まず全員の意見を聞いてみようと思いました。「皆さん一人ひとりのご意見をお聞きしたいと思います」と言い終わらないうちに、改正反対のリーダーと思われる社員が立ち上がって、大声でとうとうと反対演説をぶちました。これにつられて次々に改正撤回要求意見が出されました。会場の雰囲気は改正反対ムードでいっぱいです。このままいけば、全員が改正反対意見を述べるのではないかと思われました。

ところがです。半数ほどの社員が意見を述べたあたりから風向きが変わり始めたのです。ある社員が勇気をもって、「私は改正に賛成だ。改正しないで経営が悪化して他社との競争に負けて倒産すれば元も子もない。目先の利益にとらわれず、将来を見越して会社と社員全体の利益を考えるべきだ」と発言しました。すると次々に改正賛成意見が出され、反対派と大激論になったのです。そしてついに、私が一言も意見を述べないうちに、賛成派が反対派を説得してしまいました。もちろん、そのようなことになるとは全く予想していませんでした。その後この会社は、一人も社員を退社させることなく経営危機を脱し、順調に発展しています。


3.最善の解決策

もしムードに押されて全社員が結束して反対していたら、会社としては改正を撤回せざるを得なかったかも知れません。逆に、交渉が決裂し、会社が撤回せずに改正を強行していれば、大きな労働争議になったり、社員の労働意欲が落ちたりして、倒産に至ったかも知れません。主は、社員同士がお互いに議論し、話し合って結論が出されるという、最善の解決策を持っておられました。このように、「すでにかなえられた」と信じるなら、神の最善の解決策を引き出すことができるのです。

 

あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ、主はそれをなしとげ、あなたの義を光のように明らかにし、あなたの正しいことを真昼のように明らかにされる(詩篇三十七篇五、六節)



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