問題を解決する三つの秘訣
佐々木 満男
■本稿は2000年9月25日の帝国ホテルにおけるインターナショナルVIPクラブ(日比谷)でのスピーチを修正・加筆したものです。
いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛です(コリント人への第一の手紙13章13節)。
1.人生は問題のるつぼ ― 三つの問題
「人生は問題のるつぼ」と言われますが、私たちの人生に生じてくるさまざまな問題を大きく三つの種類に分けることができると思います。
@第一は、「個人の問題」であり、「健康長寿」に関する事です。医学の驚異的な発展にもかかわらず、今多くの人が心と体の病を患っています。誰もが、いずれ年老いて死んでいくことを避けることはできません。病には苦しみが、死には恐れがつきまといます。
A第二は、「家庭の問題」であり、「家内安全」に関する事です。近年の少年の凶悪犯罪と夫婦の離婚の激増は止まるところを知りません。外側の「家屋」(House)は立派になっても、内側の「家庭」(Home)は崩壊しつつあります。これは非婚主義者を増やし、少子化社会に拍車をかけています。
B第三は、「社会の問題」であり、「商売繁盛」に関する事です。日本の構造的経済不況から、会社のリストラ、倒産が増え、高校、大学を出ても就職先がなく、多くの若者がフリーターになっています。
私たちは毎日生活する中で、これら三つの問題に取り組んで、これを解決しなければなりません。それぞれの問題は多種多様であり、厳密に言えば、問題の数と同じ数の解決法があることになります。したがって、世の中には「○○解決法」、「××成功法」、「△△健康法」等の書物があふれています。
私も長い間これらの書物を読んで、いろいろな方法論を学んできました。しかし、かつて良いとされた方法が今では悪いものとされているケースがたくさんあります。高い地位と著名な肩書きをもった方々が、それぞれ確信を持って公表してきた方法論が次々に、新しい方法論にとって代わられているのです。いったいどれが正しいのでしょうか? 永遠に変わらないものは、何もないのでしょうか?
日本には八百万(やおよろず)の神々がいるとされています。多くの日本人があっちの神社、こっちのお寺を回り、挙げ句の果てにわけのわからない新興宗教にまで入って、「健康長寿」「家内安全」「商売繁盛」を切望しています。
このような迷いの中で私はある時ついに、世界の永遠のベストセラー、聖書にたどりつきました。そして、いつまでも変わらない真理を聖書に見出すことができました。それは、神によって与えられる「信仰と希望と愛」です。これこそが、問題を解決するための永遠に変わらない三つの秘訣です。今日は、私が聖書に発見した、「問題を解決する三つの秘訣」について短くお話しさせていただきます。
2. 第一の秘訣 ― 信仰
「問題を解決する第一の秘訣」は「信仰」です。聖書の言う「信仰」とは、唯一・絶対・永遠・無限・全知・全能なる天地万物の創造主が、神として存在することを信じることです。この偉大な神の本質は愛であり、聖書は神の啓示(インスピレーション)によって書かれたものであることを信じることです。要するに、聖書のことばを神のことばとして全面的に信じることです。
それでは、神を信じ、聖書を信じる「信仰」は、どんな問題を解決してくれるのでしょうか? 「信仰」は、まず「死」の問題を解決してくれます。聖書の中心テーマは、イエス・キリストを信じることによって、誰にでも、「永遠のいのち」が与えられるということです。
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである(ヨハネの福音書3章6節)。
このように、神の御子イエス・キリストを信じる「信仰」によって、「死」という人生最大の根本問題が一挙に解決してしまうのです。秦の始皇帝のように、不老長寿の薬を求めて世界中をむなしく探し回る必要はないのです。
さらに、「信仰」は、「死」の問題を解決する秘訣であるばかりでなく、「生」の問題、すなわち私たちが生きる過程において生じるさまざまな日常問題をも解決する秘訣でもあります。聖書によれば、神は全知・全能なる方であり、私たちはそのような偉大な神に、どんな問題でも解決していただけるのです。マタイの福音書7章7節には、こう書かれています。
求めなさい。そうすれば与えられます。
探しなさい。そうすれば見つかります。
たたきなさい。そうすれば開かれます。
神を信じる「信仰」によって、どんなことでも、求めれば与えられ、探せば見つかり、たたけば開かれるのです。
今日のこの集会を主催しているインターナショナルVIPクラブ(日比谷)の会長、滝山博行さんは、子供のように純真に神を信じてる人です。今年2月に、滝山さんはVIPクラブを新しくスタートするために、ふさわしいホテルが与えられるよう神に祈り求めました。そうしたら、帝国ホテルが示され、与えられたのです。
次に、一緒に奉仕してくださる方々が見つかるように、熱心に神に祈り探し求めました。そうしたら、帝国ホテルのすぐ近くに勤務している家田さん(NTTソリューションズ)、草場さん(横浜ゴム)、佐藤さん(ダイエーホルディング)が次々に見つかったのです。私共は昨年、帝国ホテルでVIPクラブを始めようとしたのですが、部屋代、食事代が高すぎてあきらめざるを得ませんでした。しかし、滝山さんが価格値下げの可能性をたたきつづけたところ、破格の安い値段で門が開かれたのです。帝国ホテルの宴会室を借りて、夕食付きで1人5千円という価格は、常識では考えられないことです。滝山さんはこのように「信仰」によって、次々に問題を解決したのです。
また、滝山さんは、これまで長年所属していたロータリイクラブと大好きなゴルフを辞めて、VIPクラブに入会しました。人々にキリストの福音を伝えるためです。福音を伝えるためには、仕事面でも経済面でも大きな犠牲が伴います。ロータリイクラブは社会のVIPの集まりで、つきあいゴルフをやっていれば、お金持ちのお客さんも大勢ついたでしょう。インターナショナルVIPクラブは、神の目から見たVIPの集まりですから、元ヤクザの方もいれば、現役のホームレスの方もいます。鍼灸師としての「商売繁盛」には必ずしもつながりません。しかし滝山さんはVIPクラブ(日比谷)をスタートしたおかげで、テレビに出たり、新聞に載ったりで、お客さんがどんどん増えている状態です。一度は辞めたゴルフも、「VIPゴルフクラブ」がスタートしたことによって、福音を伝えるために再開して有効に用いられています。
VIPクラブ(大阪)の会長、持田明広弁護士は、時間の7割はVIPクラブの奉仕活動に捧げ、残りの3割で弁護士の仕事をしているそうです。2人いる秘書のうち1人は、VIPクラブ専用として雇っています。そのおかげで、今年になって関西に大阪以外に6カ所もVIPクラブがスタートし、この8月には大阪リーガロイヤルホテルにおいて1500名の集会を行いました。各集会の準備、運営に忙殺されていますが、不思議にも弁護士の仕事は大いに祝福されているそうです。
信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです(ヘブル人への手紙11章6節)。
と聖書にありますが、神は、私たちの「信仰」を喜んでくださり、「信仰」に生きる人に豊かに報いてくださるのです。聖書によれば、「信仰」は神を信じることによって与えられ、神に祈り求めることによって強められます。
3.第二の秘訣 ― 希望
「問題を解決する第二の秘訣」は「希望」です。多くの問題は「信仰」によって速やかに解決されます。けれども、問題は数限りなくありますから、全部の問題を一挙に「信仰」によって解決することはできません。多くの問題が未解決のまま残ります。しかし、未解決の問題も将来いつか解決するだろうという「希望」を持つことができます。
私たちは「希望」がなければ充実した人生を生きることができません。「希望」を持っていれば、どんな苦しい状況にあっても、生き生きと生き抜くことができます。有名な実存主義哲学者、キルケゴールはこう言いました。
失望したければ世の中を見よ。
絶望したければ自分を見よ。
希望を持ちたければキリストを見よ。
毎日のニュースを見たり、聞いたりすれば、世の中にはいやなことだらけです。世の中のことを考えていると、気分が暗くなって失望感が増すばかりです。また、自分のことを考えると、いつも何かを恐れ、いつも失敗してしまいます。だんだん年をとって老人になり死んでいくことを思うと、絶望しかありません。しかし、「信仰」をもってイエス・キリストを見上げていくと、限りなく明るい希望の世界が開かれてくるのです。
聖書には、私たちの心に働きかけて希望を持たせ、これを実現させるのは神であると書かれています(ピリピ人への手紙4章13節)。聖書において神は「希望の神」とも呼ばれていますが、問題を解決する力となる「希望」は、「自分で勝手に作った希望」ではありません。「神から与えられた希望」です。なぜなら、「神から与えられた希望」は、神ご自身が実現してくださるからです。
今日これから短くお話をしていただくジョン・バッサさんは、アフリカのナイジェリアから来られました。ナイジェリアは石油、天然ガスその他の鉱物資源が豊富にあり、アフリカで最も豊かな国なのですが、長年の軍事政権による政治的混乱のため現実は非常に貧しい状況におかれています。
ジョンさんは、ナイジェリアの政治を安定させ、この国に平和と豊かさを実現したいという神から与えられた強い「希望」を持っています。この「神の希望」に押し出されて、自ら大統領になるべく昨年の大統領選挙に臨んだのです。38才でした。ところが、ジョン・バッサ大統領の出現を恐れて反対軍事勢力が突然、40才未満の大統領被選挙権を剥奪する法律を成立させてしまったのです。そのために前回の選挙に出ることはできませんでした。しかし、「希望の神」に「希望」をつないで、次期大統領選挙に出るべく準備をしています。
今年初めには、殺し屋集団に3度も襲われて殺されそうになりましたが、神によって守られ、今は地下に潜って運動をつづけています。命の危険を冒してまで、なぜ選挙に出るのでしょうか? それは、「希望の神」による「希望」があるからです。この「希望」を神が実現してくださると固く信じているのです。年末にはナイジェリアに戻りますが、ナイジェリアをイエス・キリストの愛によって指導される国にしようとするジョンさんの強い「希望」は、いつかきっと実現することでしょう。
また、ジョンさんは、VIPクラブ海外進出第一号のVIPクラブ(ラゴス)の会長をしていますが、将来はVIPクラブをナイジェリア中に、そしてアフリカ全土に拡げていきたいという「希望」を持っています。この「希望」も神によって実現されていくに違いありません。今回の訪日中にも、ジョンさんの指導で、日本にいるアフリカ人のためにVIPクラブ(アフリカ)をスタートする予定です。そのためのホームページを制作中です。
「希望」は、神を信じることによって与えられ、神に祈り求めることによって、さらに大きくなっていきます。
4.第三の秘訣 ― 愛
「問題を解決する第三の秘訣」は「愛」です。
いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛です(コリント人への第一の手紙13章13節)。
とありますように、「愛」は一番すぐれた問題解決方法です。イエス・キリストは、「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」(マタイの福音書5章44節)と言われました。自分の敵を愛することができたら、敵対している人との間の問題は、少なくとも自分に関する限りは解決してしまっていると言うことができます。問題があっても、それを問題としないからです。「問題が問題でなくなる」ということです。問題の解決をいっさい神にまかせて、ひたすら「愛」することに徹するのです。
ある弁護士の大先輩が知人の結婚式の祝辞でこのように述べました。
「私の家は代々の仏教徒で、私も長年にわたって仏教の研鑽に励んできた者である。しかし、キリスト教にどうしてもかなわないことが一つある。それはイエス・キリストの、「敵を愛し、迫害する者のために祈れ」という言葉である。夫婦の危機が訪れたときは、必ずこの言葉を思い起こして救われてきた。私たち夫婦が未だに離婚しないでいられるのは、このキリストの言葉のおかげである。だから、本日結婚された2人が、このキリストの言葉をしっかり心に刻んでこれから生きていって欲しいと願っている」
全く同感です。私もキリストのこの言葉のおかげで、20年以上幸せな結婚生活をつづけさせていただいているからです。
VIPクラブ(お茶の水セントラル)の会長、三谷康人さんは、鐘紡という大組織の中で、「三回左遷、三回降格」というサラリーマンとしては致命的な処分を受けました。ところが、三谷さんはその都度、会社をうらまず、人を憎まず、逆に愛と祈りをもって会社と人々に仕えて来ました。その結果、カネボウ薬品の社長、(株)鐘紡の筆頭専務取締役にまでなったのです。このあかしが、最近出版された「三谷康人 逆転人生」(いのちのことば社刊)に詳しく書かれていますので、ぜひ一度お読みください。
「敵を愛する愛」は、人間の愛でなく、「神の愛」です。これも、神を信じることによって与えられ、神に祈り求めることによって、さらに大きくなっていくものです。
5.まとめ
私たちは昔から、「健康長寿」「家内安全」「商売繁盛」を願ってきました。これらはすべて、人間として当然持つべき健全な願いです。ところが、これらは自分でがんばって獲得するものではなく、本来、神によって恵みとして人間に与えられるものなのです。
見よ、わたしは健康といやしとを、ここにもたらして人々をいやし、豊かな繁栄と安全とを彼らに示す(エレミヤ書33章6節)。
と神は、語っています。また、
愛する者よ、あなたがたましいに幸いを得ているように、すべての点でも幸いを得、また健康であるように祈ります(ヨハネの第三の手紙2節)。
とも、語られています。
私たちは、神から与えられる「信仰」と「希望」と「愛」によって、これらの恵みを受けられないようにする、いろいろな問題を解決していくことができます。これまでいくつかの実例を挙げてきましたが、果たしてこれらをもって一般的にも「本当にそうだ!」と言えるのでしょうか? 何かこれを証明する客観的なデータがあるでしょうか?
少し以前のことですが、アメリカにおける統計調査によると、毎週日曜日に教会の礼拝に出席している人々は、そうでない人々よりも、10年長生きしているそうです。また、元ハーバード大学教授の調査報告では、毎日一緒に聖書を読み、祈っているクリスチャンの夫婦の離婚率は1015組に1組ですが、そうでない夫婦の離婚率は5組に2組だそうです。キリスト教が盛んになっている韓国では、金大中大統領をはじめとして国会議員の過半数はクリスチャンであり、ビジネスに成功している経営者の多くもクリスチャンだそうです。
イエス・キリストを信じ、「神の信仰」と「神の希望」と「神の愛」に日々生きるならば、「永遠のいのち」が与えられるばかりでなく、「健康長寿」「家内安全」「商売繁盛」というこの世の恵みも、ふんだんに与えられるのです。けれども、これらの世の恵みは、決して自己満足やぜいたくをするために与えられるのではありません。隣人を愛し、神の栄光を現すために与えられるのです。また、これらの世の恵みはあくまでも一時的な相対的な恵みにすぎません。永遠にして無限なる「永遠のいのち」すなわち「神のいのち」の絶対的に尊い価値とは比べることはできないのです。
イエスは言われた。「まことに、あなたがたに告げます。わたしのために、また福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子、畑を捨てた者で、その百倍を受けない者はありません。今のこの時代には、家、兄弟、姉妹、母、子、畑を迫害の中で受け、後の世では永遠のいのちを受けます。・・・」(マルコの福音書10章29、30節)。
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